呉市役所の清原秀樹さんに取材!_行政で地域創生って何するの?!

2024.7月22日更新

呉市役所の清原秀樹さんに取材!
行政で地域創生って何するの?!

呉市役所の市民部「広市民センター」に勤務する清原さん。「学生時代に多くの経験ができるよう、学生さんたちを精一杯サポートしたい!」と語る素敵な笑顔からは、清原さん自身が生まれ育った呉を愛してやまないあたたかい気持ちが溢れていました。

地域の人々との交流が楽しく、
気づいたら夢中になっていた。

生まれ育ちは呉市広町。学生時代、野球少年だった私は、将来公務員になるなんて思ってもいませんでした(笑)
公務はいろんな部署がありますので、最初は庶務的な仕事で外部との関わりがなかったものの、上司から「君は元気がいいから公民館へ行くといい!」と阿賀公民館に配属され、そこから地域の方々との交流が始まりました。
スポーツ振興課では10年間、スポーツの推進員さんと一緒に泊まりがけで県外研修に行ったり、イベントを開催するなど、忙しいながらも楽しい経験をさせてもらいました。その後は呉市阿賀地区で地域の人や学生と一緒に、まちおこしの事業に6年間携わりました。そして、2015年4月、呉市が初めて「地域おこし協力隊」を採用し、その担当を3年間経験しました。
ずっと地域の方々と関わり続けて、人と繋がりが強くなっていき、「きよちゃん」の愛称で呼ばれ、頼ってもらえたり、人のために働けることに喜びを感じるようになりました。

「ひろまちdesign factory」知られざる誕生秘話。

今は「広まちづくり推進協議会」を担当しており、今年で7年目となりますが、配属された年はちょうど呉市のまちづくり計画の見直しの時期でした。まちづくり計画は10年に1度見直しする制度になっていて、時代に合ったものを追加できたり変更できたりします。ただ、配属して間もない時で、すでに提出期限が迫っていました。時間がないからという理由でチャレンジしないわけにいかない!と感じて、「真剣に考えるから、もうちょっと待って欲しい!!!」と交渉。すぐさま地域協働で本気で考え、学生や若い世代を中心としたまちのプロジェクトを創出する場所を作る事業をまちづくり計画の中に加えました。そうして誕生したのが「ひろまちdesign factory」です。

若い世代の声を
どんどん取り入れていきたい!

地域によって抱える課題は少しずつ異なリますが、全国共通の課題は「少子高齢化」です。しかし、ただ人口だけの問題ではありません。少子高齢化に付随して、世代交代が遅くなっていると感じることも多々あります。
多くの実績や功績を残された先輩方の意見も大切ではありますが、これからこの地で生きていくのは若い世代です。その若い世代の声が多く反映されたまちづくりでなければなりません。また、人のためになれる人材を育てることは、地域の元気に繋がっていきます。
そういう想いから、学生の声に耳を傾け、一緒に何かを企画し取り組んでいます。行政の立場から私ができることは、若い世代が意見や想い、モノやコトを発信しやすい場所・環境づくりやそのきっかけづくりです。このまちの隅々まで仕掛けという種まきをして、学生を含む若い世代が持つ可能性を伸ばすことに注力をしています。
広商店街の入り口にある「広まちづくり推進協議会」の基地も、一体になりたかったという想いで、商店街や地域の方々、高校生や大学生達と一緒にDIYしたものです。

学生のチャレンジ期間は短い。
「呉未来塾」を立ち上げる!!

行政では予算ありきで計画的に事業を遂行していくので、学生から生まれた新しい企画やアイデアをすぐに予算をつけて実行するということが難しいです。
新しい企画を提案して通ったとしても「じゃあ来年度からね。」となります。でも、そのアイデアを提案した中心となる学生が高校3年生だった場合、翌年この地域にいる保証はない。大学生でも同じです。チャレンジしたい学生が、学生であるうちに取り組めなければ意味がないと感じています。
その問題にムズムズした私は、2023年に広島県呉市内の若者のチャレンジを支援する団体「呉未来塾」を立ち上げました。ただし、行政のように資金力はありません(笑) しかし、その若者のチャレンジを応援する動きに賛同してくださる地域の方々や学校、企業も多く、本当に多くの力を貸していただいてます。
例えば、呉阪急ホテルさんが場所を提供してくださることとなり、ヒロコクの学生を含めた5人の大学生と高校生と一緒にイベントを企画しました。そのイベントでは10店舗くらい出店してもらえて、協賛企業も50社以上集まり大盛況!
中心となって動いてくれた大学生はとても大変だったと思いますよ! 大人と高校生と自分の想いとをうまくまとめて実行しないといけないので。でも、とっても勉強になったと思います。ちなみに私もzoomを使った打ち合わせなど、若者から多くのことを学びましたね(笑)
「呉未来塾」の将来的な目標は、呉ポートピアパークを活用した、学生と取り組むことができる地域おこしです。呉ポートピアパークは呉の窓口としてはとてもいい立地にありますし、駅もあって船も着ける。呉のまちがもっと元気になるためにとても良い場所です。 若者が集い、やってみたいことにチャレンジできる場所であり、企業も新しいアイデアに出会えたり、企業間のマッチングに繋がるなど、人と人が繋がり合える場所になったらいいのにな…なんて夢を膨らませています(笑)

人との関わりを大切に。
誰かのために…が生き甲斐です。

今は呉市内外さまざまな地域のイベントに足を運び、いろんな人と繋がっています。こまめに足を運んでいると地域との交流が深まり信頼関係が築かれます。そういう人の交流から生まれる心あたたまる出来事や、一緒に企画し取り組める仲間ができていくことが「地域創生」の一番の魅力。「誰かのために…」と考え行動する活動が、シンプルに私の生き甲斐になっています。
大学によって活動できる範囲は違うと思いますが、ヒロコクさんは既に地域との交流を大切にされ、信頼関係が築かれていると思うので、新しくできた社会学科地域創生学専攻では、学生さんがチャレンジしたいことを後押ししてくれる環境だと思います。

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